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周到にも舞台は嵐

根底にグリレ妄想が根付いているとは思うのですがおそらくはレ様萌え文です。
レ様のカリスマ性は異常。

運命の分かれ道、もしくはターニングポイント。
主役は遅れてやってくるとでもいうのか。
彼はいつだって風のように現れて、風のように消える。


光が爆(は)ぜる。
瞬間。
懐かしいが視界を覆う。
炎として威力が強いのは科学的にいえば赤色よりも青色ではあるが、この業火を目の前では見たのではそんなことはないと言いたくなってしまう、すさまじく鮮烈な色。
「(来てくれたのか…)」
未だ力と力のぶつかり合いで起きた噴煙により、敵味方の区別もつかない状況下で静かに悟る。
姿が見えずとも、グリーンには来訪者が誰か、彼が今どんな表情をしているか、どんな仕草で相棒(パートナー)であるポケモンを従えているか、そのポケモンの種類まで目に浮かんだ。
「何者だ…?」
比較的近くにいた後輩の1人、赤髪の青年・シルバーが第三者が介入したことに気づいて新たなモンスターボールを手に取る。
それを片手で制して鋭い眼光を緩めるように視線で釘を刺す。
炎が引け、噴煙が散っていく中。
朧に浮かびだすシルエットの顔にあたる部分がこちらを向いていることを感じる。
彼はそのままグリーンたちのもとへとゆっくりと歩いてくる。
そして彼を追いかけるひと際大きな影と足音は―――彼のエースであるリザードン。
ゴールドが途端に目を輝かせた。
「リザードンに赤い帽子!?もしかして、アンタ…!」
グリーンに出会ったばかりのゴールドが生意気にも言ってくれた。
俺はあの人のバトルを見てトレーナーになると決めた、と。
次第にあきらかになっていく背格好はグリーンと最後に別れたときから変わらない。
最早彼のトレードマークでもある帽子とジャケット。
何より闇を凝縮して固めたような深い黒色の髪と、宝石のように輝きながら強い意志を秘めた赤い眼の持ち主をグリーンは彼以外に見たことはない。
自分にとっては物心ついたときから隣にあった色が遠く感じるようになったのは一体いつからだったろうか。
「よお、グリーン」
手の届く距離までやってきた彼から声を掛けてきた。
気だるげに帽子を外してちらりとグリーンの背後のゴールドとシルバーを確認し、小首を傾げてグリーンを見上げる様は近寄りがたい空気に反してあどけない。
その頬に触れてみたいと衝動的に思い、持ち上がった手に気づいて咄嗟に拳を握った。
「…やあ、レッド」
言いたいことはたくさんあるはずなのにいざ相対するとうまく口が回らないのはいつものことだ。
「君は、どうしていつも危機的状況で現れるのかな…舞台役者にでもなったつもりかい?」
溜息交じりに挨拶代わりの皮肉を。
慣れているレッドは少しも気にした風もなく、そんなつもりはないんだけれど、ととぼける。
「お前が追い込まれるなんて珍しいな」
「僕にも色々と事情があってね。それでも、君に見られるとわかっていたらもう少し気合の入れようが違ったかもね。君に、無様な姿は見せたくないんだ…ライバルとして」
「ふーん…」
グリーンの強がりをわかっているのか、いないのか。
レッドはこきこきと首を回してリザードンを振り返る。
リザードンはずっと「敵」から目を離さずにいた。
「戻れ、リザードン」
主人に呼ばれ、リザードンは何事か物言いたげに翡翠の眼を細めたが大人しくモンスターボールに消える。
それを見たゴールドとシルバーが息を呑む気配。
きっと彼らにしてみれば何故レッドが手を下さないのか、理解できないのだろう。
しかし、グリーンには痛いほど理解できる、予測範疇の行動に過ぎない。
グリーンは呼吸を整え、前へと足を出す。
「俺は手ェ出さないほうがいいんだろ?」
「もちろん。出てきてもらって悪いけれどこのまま終わる僕じゃないんでね」
「んっ」
視界の端で小さく頷いたレッドが帽子をかぶる。
「ちょ、グリーン先輩正気っすか!?俺ら3人で敵わなかったんすよ!?」
「……無謀だ」
後ろでゴールドとシルバーが騒ぐのを無視して集中する。
そう、集中せねばならないのだ。
グリーンはレッドのライバルとして。
最強を冠する彼の隣りに立つ者として負けられないのだから。
「行くぞ、フシギバナ」



「…君だったらもっと早く片付いたのかな」
「そうでもないさ。ゴーストのナイトメアで弱ったところにゴローニャの岩なだれは中々手強かっただろうし。お前が育てたフシギバナだから勝てたんだろう」
「君なら相性の差なんて関係なしに勝ってしまうだろう?」
「……グリーンってすぐ俺につっかかるよな」
「悪いね。きっと君が嫌っていっても一生治らないよ、こればかりは」
ふっと溜息を零しながらもレッドは微笑んでいた。
グリーンはその懐かしい表情につられて薄く微笑み返しながら自分の心の中にもやがった黒い感情が蓄積されていくのを感じていた。
まだ2人でもつれ合いながら草原を駆けていた頃はなかったはずの感情。
レッドに対する劣等感はポケモンに触れ合うようになってから一層グリーンの中で体積を増している。
「今回はゆっくりしていけるのかい?」
自分自身を誤魔化すように話題の矛先をバトルから変える。
レッドはすぐに笑みを消した。
「しばらく実家に帰っていないから顔ぐらいは見せようと思っているけど…グリーンは?ジムに戻るのか?」
「いや、僕もおじい…オーキド博士に今回の件を報告しなくちゃならないしね。今、そこの二人の教育を任されているんだ。なんなら君も少し相手をしてやってくれないか」
「…なに?それでさっき圧(お)されてたわけ」
「ああ。一応、バトルの主導権は2人に任せるように博士から頼まれていてね。まあ、それで負けたら元もこうもないから結局僕が済ませてしまったけれど」
わざとらしく肩をすくめてロケット団の残党が盗んだ物体を見せる。
小さな基盤は現在開発中の次の図鑑に使用されるIPチップだった。
納得したらしいレッドはまたそんなことだろうと思ったばかりの様子で頷く。
「後輩の指導もいいけど、どうせならお前とバトルがしたいな」
にっと唇の端を吊上げた好戦的な表情はひどくセクシャルであらゆる欲望を掻き立てられる。
それらをぐっと押し殺してグリーンはまた笑う。
眩しくてたまらない笑顔に時に押し潰されそうになろうとも結局はこうして許し、焦がれるのだからどうしようもない。
持て余すこの感情の名を知っているからこそ、尚更に、殊更に。

「今度は僕が勝たせてもらうよ」




end

シルバーはレッドを畏怖し、ゴールドは憧れ。
グリーンはレッドに敵わないと劣等感に苛まれながらもライバルとして隣に立ちたいという強い想いと、昔からの片想いを抱いています。
レッド自身はわりとグリーンがいればそれでいい感じです(無意識カップル)。

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