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名前を呼んで引き留めて世界に口づけ

レッド→←グリーン的な。
うちのレッドさんはヤンデレ?というか、かなり捻くれてるんだと思います。
グリーンもその点に置いては負けませんが。
「レッド」
風が吹いている。
「レッド」
空気を孕んで、はためくジャケット。
肩越しに振り仰いだ先ではグリーンの髪が同じように揺れている。
「レッド」
視線は合えども返事がないことが不安なのか、またグリーンが名を呼ぶ。
レッドは風に攫われそうになった帽子の鍔をより深く下げ、体をグリーンへと向ける。
「行くよ」
「見ればわかる」
さくさく、と。
草むらを大股に歩いてくるグリーンはどこか不機嫌そうに見えたが、彼の場合はこれが標準装備かと思いなおして原因を考えることは放棄した。
彼はいつだって何かに苛立っている―――正確には自分自身の何か、に。
「また戻ってくるんだろうな」
「野垂れ死ななかったら」
「縁起でもないことを言わないでくれ」
「…グリーンが名前を呼んでくれるなら戻ってくるよ」
「馬鹿言え」
「本当だよ」
「……僕は破ることが前提の約束なんてゴメンだね」
「グリーンが俺を待ってってくれるなら、何か月、何年経っても戻るってことだよ」
「……レッド」
「うん」
「レッド」
「グリーン」
「レッド」
「グリーン」
「レッド」
「グリーン」
「必ず戻れよ。ここはお前の街だ。そして僕も暇人じゃない。なるべく早く、顔を見せに戻れ」
「うん」
言葉通り、早く戻れるかは約束できない。
それでも幼馴染が自分という存在をまだ必要としてくれるならば、先の言葉に従い、何か月、何年経っても彼のもとへと帰ってくる自信と確信がある。
レッドはグリーンから風が吹く方向へと視線を向け、ベルトに据えたボールのひとつを放った。
「リザードン」
呼べば、雄々しい巨体がまるで軽快なメロディを口ずさむ小鳥のように小首を傾げてこちらを見つめる。
それからおもむろにレッドに背を向け、腰をかがめた。
乗れ、と言っているのだ。
「グリーン」
「ああ」
「また、」
「…ああ、また、な」
別れ際。
グリーンは少しだけ微笑んだように見えた。寂しさを宿した瞳だった。
レッドはそれに気付きながら、あとは口を閉ざして徐々に近づく空を見上げた。
空は雲ひとつなく青かった。


end

グリーンさんはレッドさんをこの世に引き留める唯一の人。
意地っ張りな二人はどうしても素直になれないようです。

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虹賀真琴

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